北国から雪の便りを聞きつつ、暖地は晩秋から冬の入り口へと移る。
近所の公園を歩くと銀杏(いちょう)が豪壮な炎のようだ。
小春の陽(ひ)を受けて満開の桜のように華やいでいる。
花吹雪ならぬ黄金の雨を降らすときは遠くない。
銀杏は、春の桜を思わせる潔さで散っていく

スイスベルニナ?エクスプレスを乗って、花風景を見に行こう

鉄道の車窓からゆったり楽しむ パノラマのような花風景

息を呑むような絶景が続くベルニナ?エクスプレス 山岳鉄道が発達しているスイスでは、車窓からの花風景も見どころです。ヨーロッパ最高地点の駅へアクセスできるユングフラウ鉄道や、雪山を走り抜ける人気のベルニナ?エクスプレスに乗って絶景の数々を満喫してはいかがでしょう。山間に咲く可憐な高山植物や、色とりどりの花に埋めつくされる牧草地の景色はため息がでるほどの美しさです。また、ルツェルン湖からレマン湖までを結ぶゴールデンパス?ラインも人気のルート。緑の丘や澄んだ湖と色あざやかな花々との美しいコントラストをお楽しみください。

人生の路程

旅行者が賢ければ、どこから、どこへ行くかは知っているように、人生もまた、その目的と道筋がわかっていれば、難所は避け得るし、より楽しいものとなる。

まず存在というものから考えてみましょう。われわれの人生はいわば一大行路であり、一人一人はその上を行く旅行者にもたとえられましょう。われわれの背後にはその出発点である生誕があり、それは壮大な無限につらなります。また行手には、避け難い広大な無限である死が控えています。いずれは避けがたいにしても、人生の途上に得るものによっては、恐れを伴う神秘ともなり、また理解の仕方では当然のこととして、和解することもできるものです。この人生は求めて得たものでもないし、拒否できるものでもないのです。一体いかに対処すべきものなのか――何を思いつつ与えられたこの生を送るべきでしょか。

環境のままに生きて行く人も多い――引かれるままに、あるいは押されるままに、この路上をただよい歩む人たちです。山腹を蹴って転がり落ちる雪の球にもたとえられましょうか。一瞬においては自由であり、開放であり、妨げるものとてない。それが、次の瞬間には、予想もつかぬ事故事件にもあうのです。いかにこの状態を避けるか、乗り切るかについては、ただ当惑するばかりなのです。年月の経つほどに、その受ける人生の浮沈や辛酸、苦痛が、時たま訪れる喜びや心の安らぎによってはたして償われるものかどうかと疑うに到るのです。

おだやかで悠然とした人生

20世紀に生きた、アメリカの三重苦の作家で教育家、そして福祉事業家のヘレン?ケラーは、暗黒の中に暮らしながら人類に光明をもたらした傑出した女性である。エッセイの名作「もし3日間だけ目が見えたら」には、人生に対する一途な愛がにじみ出ており、世界中の人々を深く感動させた。へレンは、もし三日間だけあったなら、一日目は人々の優しさと穏やかさと友情を見たい、二日目は光の変幻する様子と日の出を見て、有名な美術館を鑑賞したい、三日目は光のある最後の日だから、普通の人のように生活のために奔走したいと言う。

ヘレンの心の声は健常者の人々を共鳴させ、「もし一ヶ月しか生きられなかったら、何をするべきか?」「あと一年しか生きられなかったら、どんなふうに生活するか?」さらには、「今日が人生最後の日だったら」といった哲学のような深い命題が、高校や中学の教科書に載り、似たような話題が中国の大学入学統一試験の作文のテーマにもなり、「死ぬまでに絶対にやりたい99のこと」といった自己啓発書が、香港や台湾などでベストセラーになっている。

近年次々に起こる天災や人災が、「人生は短い」という警鐘をますます強く打ち鳴らしている。アメリカの9.11は、太平洋のかなたの人々に人生がたいへんはかないものであると感じさせた。日本の3.11は、毎日あくせく働いたり、名誉を追ったりしているサラリーマンたちに、人生の価値について再び考えさせた。「もし?だったら」という設問に、ふだんは忘れている内心の深いところの思いを掘り当てると同時に、ある種のいらだちや焦りも感じている。2012に地球が滅亡するという予言が、銀幕から現実へと入り込み、遊べる時に遊んでおこうとか、行き当たりばったりに暮らそうという人生観が時代の主流になり、いつもびくびくと暮らして、寛容の精神は我々から遠いものになってしまっている???。

心に浮かぶのは、一人の障害者の不屈の姿である。──北海道美幌町に住む、還暦を過ぎたクラシックギター教師の加藤雅夫さんだ。肺の切除手術を受け、白内障のために両目の視力の97%を失い、左目はほとんど失明状態という重い障害を持っているが、様々な音楽活動を積極的に企画して参加し、世界各国の文化交流事業にも身を投じている???。さらに素敵なのは、誕生日が9月3日なので、加藤さんが胸を張って、「ドラえもんの誕生日である2112年9月3日まで長生きしようと思う」と宣言していることだ。

「もしあと3日しか生きられなかったら」と自問するのではなく、「元気で百年生きられる」と深く信じる。もし我々がみなそうできたら、人生は華やかな虹のように開けることだろう。──私はふと気がついた。目の前の一分一秒を大切にし、未来への広い展望にも目を向ける。「ヘレン?ケラー+加藤さん」の人生観こそ、最もすばらしい、おだやかで悠然とした人生観ではないだろうか。

タイトル超長い本、面白い!

■マンションは何千万円もして人生最大の買い物なのに高いか、安いかわからないしどうやって選んだらよいかわからない人が読む本(高田七穂著·エクスナレッジ)
■雨の夜にカサもささずにトレンチコートのえりを立ててバラの花を抱えて青春の影を歌いながら「悪かった。 やっぱり俺…。」って言ってむかえに来てほしい。(イチハラヒロコ 著·三 修社)
■新版·十六歳のオリザの未だかつてためしのない勇気が到達した最後の点と、到達しえた極限とを明らかにして、上々の首尾にいたった世界一周自転車旅行の冒険をしるす本(平田オリザ著·晩聲社)
■悩みも迷いも若者の特技だと思えば気にすることないですよ。皆そうして大人になっていくわけだから。ぼくなんかも悩みと迷いの天才だったですよ。悩みも迷いもないところには進歩もないと思って好きな仕事なら何でもいい。見つけてやって下さい。(横尾忠則著·勉誠出版)

happyniss


「気持ちいいなあ」と感じる場面をこころの中に思い浮かべよう。

綺麗な海でおよいでいるところ。

澄んだ空にある月を見上げているところ。

風のよおる眺めのいい場所に立っているところ。

子供の声や犬の鳴き声が聞こえる海辺にいるところ。

大きな木に寄りかかっているところ。

好きな人と一緒に笑っているところ。

そうすると、ちょっとぐらい元気がないときでも、

なんとなく、気持ちが充実してきて、

「よーし」って、力が涌いてくる